新卒で飛び込んだ世界、現場で学んだすべてが今につながっている
くすりの福太郎 代表取締役
春田 康行
福太郎の春田社長は、新卒入社から26年。店舗スタッフからはじまり、広報・財務まで経験し、ついに社長に。“現場育ち”の社長が語るのは、人の力を信じる経営と、地域に寄り添う福太郎らしいお店づくり。地域に近く、社員にも近い。そんな“距離の近さ”を大切にしてきた福太郎のこれまでとこれからを語ります。
くすりの福太郎について
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くすりの福太郎はどんな会社か教えていただけますか?
創業68年を迎える会社で、千葉県と東京都を中心にドラッグストアと調剤薬局専門店を約250店舗展開しています。特に船橋や市川、浦安などでは知名度も高く、駅前に出店しているのが特徴ですね。
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駅前に多いのは戦略なんですか?
そうですね、目に入りやすく認知されやすい場所として駅前を重視してきました。東西線や都営新宿線の沿線など、駅ごとにちょこちょこ出店しているので通勤通学で使う方には良く知られていると思います。
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社名の「くすりの福太郎」ってどこから来ているんですか?
創業者である名誉会長のお父さんの名前が「福太郎」だったそうです。浅草のお店で試しに使ったら評判がよくて、それから店名を統一するようになりました。社名も私が入社して3年目くらいに変更されたんですよ。
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春田社長のキャリアと経験
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春田社長は創業者じゃないんですね。キャリアはどんな感じだったんですか?
2000年に新入社員として入社しました。最初の1年半は店舗で薬剤師として働きましたがその後本社に異動し、新店立ち上げや人事・教育・広報など色々経験させてもらいました。若手の登用が積極的な社風だったのがきっかけです。
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ふくちゃんに関わった仕事ってどんなことを?
2002年にキャラクターが誕生して、私はグッズをつくったりしていました。ふくちゃんが手を振ると子供が喜んでくれて、嬉しかったですね。キャラを広めることに注力していました。
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広報以外にはどんな仕事を経験してきたんですか?
広報以外にも財務や会計、経営企画など、さまざまな部署を経験しました。特に株式上場を検討していた時期には、銀行からの出向者と一緒に準備を進め、財務の知識が必要だと実感したんです。そこから本格的に勉強を始めました。
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ツルハグループに入った時はどんな感じでしたか?
グループ入りしたときは自然に馴染めました。ツルハは各社の独立性を大事にしてくれるので、現場も大きな混乱はありませんでした。むしろ経営のバックボーンがしっかりして、会社としての安定感がぐっと増した実感があります。
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札幌にも行かれていたんですね。
はい、ホールディングス側に3年ほど出向して、グループ全体の予算づくりを担当しました。札幌での仕事はすごく刺激的で、仲間もできましたし、自分の視野や人脈も広がったと思います。あの経験は大きかったですね。
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どうやって社長になったんですか?
2023年の1月3日、初出勤日に前社長から「今年そうするから」と告げられました。うっすら予感はしていましたが、いざ言われると気が引き締まりましたね。「やるしかない」と腹を決めました。驚きより、覚悟の方が大きかったです。
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今の会長との役割分担はどうなっているんですか?
会社の舵取りは基本的に私が担っています。ただ、判断に迷うことや重要な局面では、会長に相談して助言をもらっています。現場の裁量を持ちつつも、必要な時にはしっかりと連携して経営している、そんなバランスですね。
経営方針と会社づくり
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春田社長が掲げる経営方針は?
私たちの最大の強みは「近さ」だと思っています。店舗同士の物理的な距離だけでなく、社員同士やお客様との心理的な距離も含めて。相談しやすい、声が届く、そういう環境があることで、全体としてのスピードや温度感が保てているんです。
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展開エリアが狭いメリットって、具体的にどんなものですか?
スーパーバイザーが1日で全店舗を回れるくらい距離が近いので、管理も行き届きやすいですし、急な応援体制も組みやすい。社員の異動も生活圏を大きく外れずに済むので、転勤によるストレスも少なくて済みます。
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ビジネス的にも近さにメリットはあるんですか?
広告の品が品切れしても、すぐ近くの店舗から融通が効きますし、物流コストも下げられる。さらに、ポイントカードを通じた顧客のロイヤリティも高い。新店ができたときの反応も良いので、ブランド浸透の力があると感じてます。
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今後の出店戦略について教えてください。
基本的に今の展開エリアを極端に広げるつもりはありません。むしろ、今あるエリアの中にまだまだ出店余地があると見ています。高齢化も進むので、自宅の近くにちょうど良いサイズのお店があるという価値を、より強くしていきたいです。
働き方とキャリアの多様性
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ドラックストア部門にはどんな職種がありますか?
登録販売者、BA(ビューティーアドバイザー)、管理栄養士、HA(ヘルシーアドバイザー)が主な職種です。それぞれが専門性をもちつつ、店舗運営を支えています。重複している人もいて、例えば管理栄養士が店長をやっているケースもありますよ。
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配属先は入社時に決まるんですか?
入社の時点で職種は選べるようにしています。薬剤師であれば調剤か物販かを選べますし、他の職種も希望をしっかり聞いた上で、採用担当が面談を重ねて調整していきます。本人の思いを大事にしたいので、丁寧に対応しています。
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新卒の採用人数多いですよね?
今年は80名ちょっとの新卒を採用しました。特に医療事務の採用を増やしたので、結果として女性比率が高くなりました。毎年、しっかりとした人数を迎え入れていますが、配属も含めてきめ細かく対応しているつもりです。
地域貢献とこれからの福太郎
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今後の福太郎は、どんな会社を目指しているんですか?
健康寿命を延ばすことに、どれだけ貢献できるか。それが僕たちの存在価値だと思っています。薬だけじゃなく、化粧品や栄養の面からもサポートしていく。そうやって地域の人の“健やかさ”に寄り添っていきたいですね。
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メイクも健康寿命に関係あるんですか?
大ありです。実際、メイクイベントをやると高齢の方も来てくれて、メイクしてあげるとすごく表情が明るくなるんです。見た目が整うことで、心まで元気になる。心の健康にもつながるんだと実感しています。
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これから何店舗ぐらいまで目指すんですか?
まずは質の向上が大前提ですけど、感覚としては500店舗までは十分に目指せると考えています。倍になりますけど、それでも今のエリア内で無理なく出せる場所はまだまだあるので、そこをしっかり積み上げていきたいです。
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ふくちゃんってこれからも活躍していくんですか?
もちろんです。ふくちゃんは私たちの応援団長のような存在です。これからも店舗や地域でのイベント、広報活動など、あらゆる場面で活躍してもらいたいですね。愛されるお店・会社であるために、ふくちゃんの力も借りていきます。
入社のきっかけと春田社長の思い
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福太郎に入社しようと思った理由は?
大学院で研究を続けるか、就職するか悩んでいた時期に、自分の人間としての幅を広げたいと思ったんです。全く違う世界に飛び込んでみたくなって。それでたまたま説明会に行って、当時の社長に強く誘っていただいたのがきっかけでした。
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その選択は間違っていなかったですか?
間違っていなかったですね。ここでの経験を通じて、確実に人としての幅は広がったと思います。いろんなことがあったけど、その分、自分が成長できたなと感じています。あの時、飛び込んで良かったなと今でも思います。
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今日のインタビューで春田社長の柔らかい感じの人柄が伝わってきました。人に任せることが得意そうな雰囲気を感じましたが実際どうですか?
私はどちらかというと、任せるタイプだと思います。というか、正直に言うと自分では何もできないので(笑)周りの力を借りるしかないんですよ。その分できるだけ人の「いいところ」をちゃんと見るようにしてます。
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最後に一言お願いします。
私の人柄が少しでも伝わったなら嬉しいです。これからも福太郎とふくちゃんをよろしくお願いします。